真珠腫性中耳炎の主な症状は
・耳だれ
・難聴
・耳痛
・耳閉感
があります。
耳だれ、難聴に関しては初期の段階ではあまり見られませんが、進行するにつれて膿性または血性耳だれが見られるようになり、難聴や耳閉感も生じてきます。難聴は、真珠腫によって耳小骨が破壊されたり、中耳内の肉芽形成や粘膜肥厚により耳小骨が動けなくなったり、炎症の後遺症として耳小骨が固着したり、または滲出性中耳炎が合併したりすると生じますが、難聴の程度は原因と病変の程度によってさまざまです。基本的には伝音性難聴ですが、内耳に炎症が波及すると感音性難聴を伴うようになり混合性難聴をきたします。
痛みについては、真珠腫のデブリや耳だれが排出されずに中耳の奥に滞留した場合や、頭蓋底の骨が破壊されて露出した硬膜の一部分に炎症が生じた場合に起こります。
細菌感染などによって急性炎症を起こすと、耳垂れやデブリの産生が増加するため痛みが強くなります。また入り口が狭いタイプの真珠腫では、狭い入口からデブリが排出されにくいため痛みが強くなります。これらの痛みに対しては、デブリや耳だれを吸引して真珠腫内部の圧力を下げ、抗生物質で急性炎症をやわらげるようにします。