滲出性中耳炎の主な自覚症状としては
・難聴
・耳閉感
・耳鳴り
・自声強聴
などがありますが、これらの症状がすべて出るわけではありません。
滲出性中耳炎は痛みのない、鼓膜穿孔もない内耳炎です。主な自覚症状は、軽度から中程度の難聴です。大人であれば、急性中耳炎の痛みが治まったあとにもなお耳閉感があって聞こえが悪ければ異常を訴えます。しかし幼少においては痛み以外の症状を強く訴えないことも珍しくないため、滲出性中耳炎にかかっていることに家族も気付かず、放置したままとなっていることがしばしばあります。
乳幼児や小児の滲出性中耳炎の多くは両側性です。難聴自体は比較的軽度ですが、両側にみられるため日常生活での音の反応に少し変化が見られるかもしれません。テレビやビデオを見ている時にボリュームが大きい、後ろから呼びかけてもなかなか返事をしない、いつもより大きな声で呼びかけないと返事がない、といったことから滲出性中耳炎に気づくこともあります。
物心ついた頃から滲出性中耳炎を患っていると、ずっと違和感を感じないで成長しているため本人は「これが普通の聞こえ」と思い込んでいます。
ご家族も「うちの子は呼びかけてもすぐに返事をしないけれどそれは何かに集中しているからだ」「子供の反応とはこういうものだ」と勝手に解釈してしまいがちですが、少しでもおかしいなと思ったら耳鼻咽喉科で診察を受けましょう。