中耳は生まれながらに鼓膜が存在し、内部は粘膜に覆われ、周りも骨で囲まれているので非常に無菌的できれいな空間です。それがどうして中耳炎になるのかというと、耳管を通して上咽頭(鼻の奥側)につながっているという構造的な特徴に原因があります。耳管が中耳炎のカギを握っているのです。
私たちは風邪をひくと鼻水が出たり、喉が痛くなったり、呼吸がぜいぜいしてきます。これは、鼻や喉を含む呼吸器(上気道)が、ウイルスや細菌に感染して炎症を起こした結果です。
風邪を発症させているウイルスや細菌が耳管の入り口から入り込み、耳管や鼓室の粘膜で繁殖して中耳炎を引き起こします。
中耳炎を引き起こすルートはいくつかありますが、急性中耳炎のほとんどは「耳管経路」から生じるため、いうなれば急性期中耳炎とは風邪をきっかけに生じたひとつの症状といえます。