滲出性中耳炎の原因:耳管そのものの原因

■年齢による機能低下
耳管の働きは10歳くらいまでは未熟で、50~60歳代以降は徐々に低下していきます。したがって、滲出性中耳炎はこの2つの年齢層で多く見られます。鼓室や鼻咽腔に原因となるような病気がなくても、耳管そのものの働きがじゅうぶんでないため、滲出性中耳炎が発症しやすくなるのです。

■先天性の病気
耳管を開く筋肉の異常によっても耳管の働きは悪くなります。こうした異常はほとんどの場合先天性のもので、代表的な病気は口蓋裂です。口蓋裂では耳管を開く筋肉そのものがなかったり、筋肉の付着部位が正常な位置でなかったりするために、生まれつき耳管の働きが悪いままとなります。口蓋裂に合併する滲出性中耳炎は大変治療が難しいことが多く、慢性中耳炎に移行することも少なくありません。