一般的な話になりますが、頸から上の炎症には、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)が有効である場合が多いと言われています。ですので、炎症性の病気の場合は上記の処方は一応候補としてあげることができると思います。
その他、慢性的な炎症の場合、十味敗毒湯(じゅうみばいどくとう)なども用いる場合があります。
これに対して、滲出性中耳炎の場合は、中耳自体はそれほど強い炎症を起していませんので、原因が副鼻腔炎(蓄膿症)にあるのであれば、副鼻腔炎の治療を積極的に行うことで、滲出性中耳炎も良くなっていきます。(もちろん、それまでの間に滲出性中耳炎自体の治療も積極的に行う必要があれば、あわせて行います。)ですので、副鼻腔炎に有効な葛根湯加川辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)などを飲むことで、間接的に滲出性中耳炎もよくなる場合があります。
急性中耳炎を頻繁に繰り返すような場合には、小柴胡湯を用いる場合があります。これはその中の構成生薬柴胡の主成分サイコサポニンがステロイド様の薬効をもつことが大きいと思います。こうした柴胡を含む処方は時にうまく効く場合があります。ただし、柴胡を含む処方はごくごくまれですが間質性肺炎という副作用を起す場合がありますので注意が必要です。
滲出性中耳炎と漢方薬
http://www.itaya.or.jp/about_c_medicine.php#Q-145より引用。
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滲出性中耳炎